小川山、ロッキーロード、記憶の極小エッジ

手に入れたばかりの「前夜発日帰りのお供」、ワンタッチテント。折りたたみ傘のように簡単に組み立てることができる。お値段も、少々高目の折りたたみ傘程度。

山の上では日差しが秋めいてきた。マラ岩東面に一番乗り。レギュラー(10b/c)を回って、ロッキーロード(12a)にトップロープをかける。今シーズン、初めてクラックのセクションをまともに触る。持ちやすい場所を探りながら余裕をもって登ることができた。ナッツを決める場所を確認。

コーナーからスラブに出て行くムーブも一発で決めることができた。此処のムーブには古い記憶がまつわる。「フォーティーンの指と、テンの技を持つ男」と私がふざけて呼んでいた昔のパートナーO田さん。おそらくスペシャリストをトライしてもおかしくない超絶な指パワーを持っていたが、なんとしてもこの部分ができず、ロープを足にひっかけて逆さまにフォールした挙句、「もう、このルートやめたッ」と自暴自棄になった。ひきかえ非力な私はムーブを最適化するのが得意だった。O田さんは私が教えたムーブで楽に登れることがわかると落ち着きを取り戻した。しかしながら、その後一緒に小川山に通う機会もなくなり、現在はクライミングから遠ざかっているらしい……。

スラブのトラバースは記憶どおり難しかった。手は浅いポケット、と言うより浅いスプーンカット。足は細く外傾したダイク。微妙なバランスを助けてくれるのは、よくよく見ないと気づかない極小エッジ。

終了点直下のスラブが悪いと記憶していたが、すんなり登れた。たぶん昔とはちがうムーブである。気苦労がひとつ減った。

午前中にシルクロード(12b/c)からロッキーロードをつなげてみる。やはりシルクロードの屈曲部からのトラバースは難しい。ダイクから立ち込んだあとのムーブも思い出せない。ボルトがケミカルに打ちかえられているけれど、もし届かなかったら、とても嫌な落ち方をしそう。あっさり撤退し、ロッキーロードまたはジャガーノートの途中からロワーダウンして練習する作戦に切り替えた。

虚空のテラスに上がってみると、どこかで見た顔。アッキーではないか。ロッキーロードの(真の)1本目までヌンチャクを掛けて降りてきた。渡りに船。ヌンチャクを拝借して、効率よくシルクロードの練習ができた。(お礼に撤退箇所のムーブを教えてあげた)

松ちゃんはイエロークラッシュ(12a)を2回トライ。昔懐かしい「だんだんボード」のオーナーI川さんもトライされていた。

15時頃に早仕舞い。すんなり中央高速道路を抜けられるかと思ったが、小仏峠を先頭に30kmの渋滞につかまる。上野原ICで下りて、和田峠を越えて八王子に出た。なかなか良い抜け道である。

コメント