氷川屏風岩、低脂肪の研究

風が吹くと杉林から花粉の渦が舞い上がる暖かい一日。またもC峰の客となる。

低脂肪(13a)の核心以外をトップロープで探る。ボルト2本目から終了点までのムーブは、今シーズン初日(先々週)に解決してある。そこを繋げて出来たら、1本目と2本目の間の核心をさわろう、と私なりにシナリオを考えた。

  • 2本目から終了点まで繋がらないようでは核心の解決はとても覚束ない。
  • 2本目から終了点まで繋がった頃には、この岩場の環境にも慣れて、程よくカチ指が出来上がっているであろう。
  • 核心を解決できたとして、完登トライでは2本目から3本目までのストレニュアスさを克服できるかどうかが成否を分けそう。そこをしっかり練習しておきたい。

先週は絶不調だったので今週こそ……。2本目から、ヨーイ、ドン! あれ? 左足ヒールフックで遠い左手カチを取りにいくムーブが出来ない。三角錐の穴を保持した右手が掃き出される。フリクション頼りのホールドなので暖かい日には辛い。

Moment Vol.4で低脂肪のビデオを何度も観たけれど、草野俊達さんがヒールフックのとき使っている右手ホールドが見つからない。この辺だよな、と思うあたりに、岩の表面が白くはがれたような跡がある。

仕方なく三角錐の穴を使う。身体に近い位置にあるので利かせにくい。すでに2本目のボルトは足元より下になっているのに、こんな不安定なムーブをするなんて。しかも核心の激カチをこなしたあとに。

閑話休題。岩と雪128号に低脂肪の初登を伝える記事がある。

ハングドッガーズの草野俊達が昨年秋から通っていたC峰<イクイノシシ>右フェースを一九八八年3月6日にテンション・墜落なしでリードした。一〇?でグレードは5・12+。難しいのは下半部だけで前傾しており、かつホールドが小さい。プロテクションはボルト三本。ときどき岩が欠けるので注意。3月16日、平山裕示が第二登。

パフォーマンス・ロッククライミング」の表紙でユージが登っているのが低脂肪であることに気づいた人はどれくらいいるであろうか。1998年にフランソワ・ルグランといっしょに訪れたときの写真と思われる。5人のユージのうち一番上の2人は、草野さんより右寄りのラインを登っている。くだんの左足ヒールフックのムーブはしていないはず。それどころか、3本目のクリップもしていないように見える。裏表紙の写真を見る限りでは、ロープはインベーダーの4本目に伸びている。世界のユージが10年ぶり?に取り付いてみて、弱点を見出したラインであろうか。

コメント

  1. 鈴木牧え より:

    初めまして、最近氷川屏風をTryされている方が
    いらっしゃるようですので検索してみましたら
    ここにたどり着きました。
    RP目指して頑張って下さいね。
    パフォーマンス・ロック・クライミングって
    絶版になったのですね。
    先日、某古本屋にありましたので
    値が落ちるのを待っていたのですが
    定価より安いうちに購入しておいた方がよさそうですね。

  2. 無名クライマー より:

    鈴木牧えさん、こんにちは。私以外にもトライされている方がぽつりぽつりといらっしゃるようです。マイペースで頑張ります。たしかに「パフォーマンス・ロック・クライミング」は最近、書店で見た記憶がありませんね。

  3. 昔クライマー より:

    はじめまして。
    10年以上前にクライミングをやってました。
    その頃、何度か通って、このルートを登った事が懐かしいです。
    ボルダーみたいに短いのですが、高度感があって楽しいルートだったと記憶しています。
    今は全くクライミングをしていませんが、たまに懐かしくなります。

  4. 無名のK より:

    昔クライマーさん、こんにちは。
    ロケーションが最高で、手厳しくて、
    プライスレスな課題ですよね。
    いつの日か完登したいです。

  5. こーたろー より:

    Kのアニキ おいらも遂に触っちまったぜ。威風堂々としたルートだよな。

  6. 無名のK より:

    こーたろーの兄弟、ついにだな。吹きさらし日ざらしだから日によって時間帯によってコンディションがガラリと変わるだろうな。観戦しに行くには相当なアルバイトだぜ。