ロープバッグの棚卸し

ワンピッチのスポートルートでロープバッグを利用する場合、ロープをきれいに振り分けたり巻いたりすると、かえって絡みやすくなる。どこか一箇所ループが裏側に回ると、全体をくぐりぬけて、結び目になるからだ。ロープを引き抜いたそばから、ばらばらぐしゃぐしゃに重ねていくのがいちばん良い。これ、雨のカサメリ沢でちょっと話題になった……。

岩場で少しでも快適に過ごすためにロープバッグをあれこれ試した結果、初めて買ったスーパースラッカー(Black Diamond)に落ち着いている。

スーパースラッカーをザックにしまうときには、わざとバックルを留めない。ストラップをきちんと締め付けると細長くなり、収まりが悪い。ルーズな楕円形のまま底に押し込み、体重をかけて形を整えると、最高にコンパクトになる。ちなみに、これは寝袋もそう。付属のスタッフバッグにギュウ詰めにすると、寝袋単体ではコンパクトになるが、ザックのなかで収まりが悪い。大き目のスタッフザックに入れて、ザックの底に押し込み、あとから詰め込む荷物の重さで自然に圧縮するのが良い。(これはホーボージュンさんがどこかで書いていた)

ロープバッグはたいてい外国製である。一方、日本の岩場では以下のような事情がある。

    • 取り付きが傾斜していたり狭かったりすることが多い。したがって、内蔵シートが広すぎると持て余してしまう。
    • 基地からルートへの移動、ルートからルートへの移動が大変。木の根岩角にすがるような場所でも持ち運びしやすいことが必要。また、移動が大変であるが故に、ロープ以外にも、シューズ、チョークバッグ、トポ、飲み物、軽食、ジャケット類を常に携行する。

スーパースラッカーのシートは適度な広さである。全体がルーズなので、携行品をいっしょに包みやすい。岩場によっては、スーパースラッカーだけで家から出かけても良い。ショルダーストラップをたすきがけにしただけだと、山道は歩きにくいけれど、これには裏技がある。ストラップの持ち手(中央)だけ首の後ろに掛けて、両脇下から後ろに回して、腰に本体を乗せると、とても安定する。マラ岩で「シルクロード」と「ロッキーロード」を往復するなんて時にはいつもそうする。ただし首の後ろを圧迫するので、長距離には向かない。スーパースラッカーの最近のモデルは持ち手にパッドが付いたので緩和された。

なんだかスーパースラッカー礼賛になったけれど、定番に帰着するまでには変遷があった。

▼ゼロポイントの「ロープケアバッグ」

ロープをシートに巻き込んで、巾着型の本体に収納するタイプ。シートのサイズはちょうど良い。ザックのように背負うことが出来る。背中部分が地面で汚れやすいのが気になる。本体が小さ目なので他の携行品はあまり包み込めない。初期モデルは2本のストラップ&バックルで締め付けるようになっていたが、現行モデルにはない。スーパースラッカーに次いで登板回数が多かった。

▼マムートのロープバッグ

ゼロポイントと同じタイプであるが、サイズが大きい。携行品を多目に包める。シートは広すぎて持て余す感じ。

▼ドイターのロープバッグ

色違いの旧モデルを一つ持っていたけれど、新モデルに小物入れが付いたので買い換えた。これまたシートが広すぎる。小物入れは申し訳程度。旧モデルは上ちゃんの手元で埃をかぶっているはず。

▼ベアールの「フォリオ」


スーパースラッカーと同じタイプであるが、袋状の本体にロープや携行品を押し込み、フラップを巻き込んで、バックル2つを留めるだけで収納が完了する。手軽さは上回っている。惜しむらくは、生地が厚すぎて、ザックに入りにくい。ベアールは一時期、薄い生地で四角い裁断のロープバッグも作っていたけれど入手できなかった。

▼ミレーのロープバッグ

スーパースラッカーと同じタイプであるが、ドローコードは片側のみ。小物入れは大き目。シートは広すぎるけれど、よく見ると本体内部にもロープ末端用のループが付いている。ロープをシートに包まずに、本体にそのまま入れる使い方を想定しているのだろうか。惜しむらくは、生地が少々厚い。ショルダーストラップの持ち手はゴツすぎる。なかなかの意欲作と見込んで、衝動買いした。タグを切っていないくらいだから未使用。いつか出番はあるのだろうか。

メトリウスのロープバッグは使ったことがない。収納がタイトすぎて、携行品を包む余地がなさそう。かと言って、クラッグステーションみたいにシステム化しすぎると応用が利かない。オスプレーあたりのフロントファスナー型のザックにスーパースラッカーを組み合わせたほうが良い気がする。

クライミングシューズと同じく、いろいろな機種を試した挙句、結局は定番に戻っていく。無駄な出費ではなくて、必要な過程だったのだと思うことにしよう。

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