北川の岩場、秋葉大権現、腐れ縁を絶つ

太刀岡山に行く予定だったが、朝の天気予報では昼頃から降り出しそう。埼玉方面なら夕方までもちそう。というわけで、北川の岩場へ。松ちゃんの後輩である、上ちゃん、キムキムも参加。

中組自治会館から岩場の途中まで、ブルドーザーで道が電光形に切り開かれている。植林が間伐されたおかげで、岩場の雰囲気がすこし明るくなった。錦ヶ浦の中間部からときおり雫が落ちる以外はおおむね乾いてる。とは言え、この気温と湿度ではヌメり全開。

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さて、秋葉大権現(12b)。体調が絶悪だったり、岩場が濡れていたりで、なかなか完登できずにいる。

1回目のトライでは、4本目のボルト付近で外傾ホールドのヌメりに対応できずにテンション。アップも足りないみたい。何度か練習して、ヌメりを押さえ込む感覚を手に憶えさせた。下部のボルダームーブは問題なし。健康状態が「圏外」から「アンテナ1本」に昇格したおかげである。腰痛は相変わらずで平地を歩くときでさえ片足を引きずるが、このルートでは特に痛いムーブはない。

2回目のトライで完登。予報より早く降り出した雨で終了点への乗っ越しが濡れていたので焦った。

【ムーブ解析】

1本目をクリップした直後にボルダームーブ。ロープがたるんだ状態で立ち込みを失敗すると、取付の尖った岩に激突しかねない。オンサイト狙いでなければ、最初は2本目までプリクリップしてムーブを探ったほうがよい。立ち込みの際、左手のホールドは水平部分よりも斜め部分のほうが指先によくかかる。「フリークライミング 入門とガイド」(山と渓谷社)には《二本目のボルトはクリップしない(できない)のが一般的》とあるが、2本目のクリップは極めて安定している。リップに突き出た、チョーク跡がない(足でしか使わない)斜めのホールドに左足を置くとよい。《四本目のボルト》の誤植ではなかろうか。2本目クリップ後、クラック状のガバを取りにいくには、左手でアンダーを差し、右足を水平のカチ、左足を伸ばして遠くの甘カチにスメア。上体の反動をつけて、右手をデッドポイントする。パワーがあれば、右手クリップホールドのまま、立ち込みと引き付けでガバの下端に届くようだ。ガバで3本目にクリップ。ガバの上端と下端を持ち替えて休む。左手で真上のガストン。右足でクラック右方のカチを拾い、右手をガストンの近くに添える。右足をクラック内に上げ直し、立ち込むと、外傾ホールド帯(下からは三日月状に見える)に届く。このホールドで4本目をクリップするのは乾燥した季節でないと厳しい。ヌンチャクを長くしておき下のガストンからクリップするか、通り過ぎてから左手カチでクリップするほうが安定する。外傾ホールド帯の一段上、左右カチを持った状態から、右上方の外傾ガバを目指す。右足アウトサイドでガストンホールドに乗り、デッドポイント。右端のほうが持ちやすい。ルンルン・ヒロシ君側をあまり限定しなければもっと楽なムーブがあるかもしれない。5本目のクリップは、右手の外傾ガバよりも、左上の水平クラックに指先をねじこんだほうが安定する。次のガバが近いので、完登トライなら飛ばす手もある。6本目をクリップしたら、水平クラックを伝うように右側のカンテから終了点に這い上がる。終了点は、現在ペツルが1本とRCCが1本。右端の苔ルートの終了点まで登ったほうがよい。

上ちゃんとキムキムはのんびりモード。上ちゃんは謙譲の美徳(11a)で2度もロングフォールを披露して愉しませてくれた。松ちゃんはUV(12a)で奮闘するも糸口を掴めず、封印宣言。この時期ルーフのボルダームーブは厳しいと思われる。

……などと状態の悪さを言い訳にする我々を尻目に、K井さんが次々と課題をリピートする様子を見学させていただいた。いきなり錦ヶ浦(12c)。UV(12a)。ルンルン・ヒロシ君からミンボーに抜けるルンルン・ミンボー(12b/c?)、秋葉大権現からルンルン・ヒロシ君に抜ける秋葉ヒロシ君(12b/c?)。いつか私もやってみたい。

▼秋葉ヒロシ君を登るK井さん

コメント

  1. きん より:

    ヌメル中での秋葉大権現RP、おめでとうございます。北川にもう宿題なしですか?
    このルートは、近場での12b、気になるルートですね。情報ありがとうございます。トライする際には参考にさせて頂きます。

  2. 無名クライマー より:

    きんさん、ありがとうございます。
    今の時期チャートは厳しいですね。
    そろそろ花崗岩を触りにいきます。