履いた瞬間の最初の感想はなんと「テスタロッサに似てる」。1本締めベルクロとレースアップという全くちがうタイプなんだけど。フットホールドに乗り込むと、高剛性ミッドソールとレザーアッパーの絶妙なハーモニーにより、いったん体重を吸収してホールドに馴染んだあと、飛び箱の踏切台のような反発力で推進力をサポートしてくれる。高めのフットホールドを搔き込んで、遠いホールドへ伸び上がっていくようなムーブには強い味方になる。ヒール内側のラバーがくり抜かれているのは自分は苦手なのだが、薄いゴムの立ち上がり部が広いので、ヒールのぐらつきが少なく、また、外傾ホールドにヒールを巻き込む場合にもフリクションを活用できる。他メーカーの製品は従来からそうなので、やっと追いついたわけである。ベルクロの折り返し部に金具を使わないのは高評価。金具は深いトウフックで邪魔になるわ痛いわ、傷つけると腐食するわで良いことない。この方式は技術的に特に難しくなく、何故これまでなかったんだろうと思うくらいである。Team5.10やTEAM VXiで培ったノウハウが存分に注ぎ込まれた力作ですな。
ただ一点、プルタブがペラペラで指を差し込みにくい。力を込めにくい。特に甲側のプルタブはもう少し長くしてほしい。こんなところで画竜点睛を欠くのがFIVE TENらしい。
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