夏の日盛り。麦藁帽子を頭にのせて、中央線に乗り込んだ。
国分寺で特別快速に乗り換えると、ジムで顔見知りの方と遭遇した。
「これから御岳に行きます」と言ったら、
「えぇッ、これから!?」と驚かれた。
「ふと思い立って。水遊びですよ」
「日が翳ってから、登れたら登るって感じですか」
「御岳トラバースでも登ります」
わはは、とウケていた。
▼ピンチオーバーハングの岩
乾いてはいるものの、ただでさえ水流に磨かれてフリクションのないホールドが、夏のヌメリで蝋でも塗ったようにスベスベであった。
▼傍らをカヌーが漕ぎ去っていく
おや、デカい岩がある。
▼こんなラインでウォーターソロはいかが?
とは言え、岩の頂点を掴み損ねて落ちると、かなり危険な岩が水中にある。水流が少ない時季には露出しているかもしれない。
▼日影岩はシケシケ、コケコケ
直上ラインはまだ登られていないのだろうか。
▼とけたソフトクリーム岩には水遊びの家族連れ
「水際カンテ」には向かない季節。マットも敷けず、かと言ってマット代わりになるほど水は深くない。
▼対岸に遊歩道トラバースの全容を望む
▼忍者返しの岩でついにボルダラーを発見
▼鵜の瀬岩は下地に水が流れていたので近づかず
もっとも、此処は冬でも下地が湿っていることが多い。
▼そろそろ太陽が山の端に隠れる
この先の遊歩道は落石の危険があるため、通行禁止になり、やがて撤去された。御嶽駅からのアプローチは不便になったけれど、観光客が足を向けなくなったおかげで、忍者返しの岩周辺は、ボルダラーの別天地になったと言える。
他のボルダーには目もくれず、遊歩道トラバースへ。ホールドにチョークをのせて磨きながら、ラインを確認する。黒本には“1~3級 いくつかのラインが取れる”と記載されているけれど、どう登れば1級になるのか判然としない。できるだけ地面に近いラインをたどることにする。
ウォームアップなし。試登なしの一撃。
もちろんビデオを回してくれる人はいないので、あとで分割して撮影した。繰り返し登っては撮り、撮っては登るうちに、前腕には玉の汗が浮いた。
室井登喜男さん製作のビデオ「御岳ボルダリング」では、低い穴ガバからスタートしている。途中から撮影を始めたのだろうか。3メートルほど石垣寄りにある明瞭な両手ガバのほうがスタートらしくて良いと思う。逆トラバースのゴールとしても相応しい。
私が登ったラインで3級に感じた。ルートグレードだと5.11c/d? ホールドの限定をご存知の方、コメントをいただけると有難いです。
▼遊歩道の平たい地面でくつろぐ
珈琲ブレイク。立川駅構内の「あこべる」で買ったパンをかじる。
薄暮のなか御嶽駅へ。遊歩道沿いの食事処では篝火が燃えていた。
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