コホッ、コホッ。厚いダウンジャケット、シンサレート入りのニットキャップ、アンダータイツをまとい、完全冬仕様でやってきた。けれども、幕山公園は小春日和の暖かさだ。ニットキャップはバンダナに変更。アンダータイツは岩陰で脱いだ。
梅の宴の準備が始まったらしく、芝生の広場には仮設小屋が立ち、梅林のなかで雑木やススキを払うチェーンソーの音が鳴り響いていた。
去年からときどきトライしていた河原岩の「岩魚」。トポに記述されており、役人さんからも直接教わった“悪いカンテへのデッド”ムーブは成功する確率があまりに低くて、いささかモチベーションが下がっていた。他のムーブでいいから、そろそろケリをつけたいな、と思っていたら、元旦に“想定外のムーブ”を発見。今日は他の岩でウォームアップすることなく直行した。
やっと核心を突破し、リップへのデッドで足ブラになりながら耐え……。
マントルの手順を間違えて墜ちた。
取り付きの石で左足のかかとを痛打した。心底へこんだ。太陽が回りこみ、スローパーに直射日光が当たり始めた。それでも空気がカラカラなのでヌメらないのが幸い。鬼のように打った。
SDスタートの場合、“尻ジャンプ”するとやさしくなることが多い。腰を浮かして、タメを作り直してから、初手を出すのが自分のコダワリである。この課題は初手だけでも歯ごたえがある。顕著な縦カチよりも、カンテの最下部をスローパー持ちするほうが自分には合っていた。2手目の右手寄せまでは「山女」と同じだ。そこから左側の凹角の奥にある縦カチに左手を出すと「山女」になる。左手を気持ちクロス気味に水平の甘カチをとるのが「岩魚」のマイムーブ。剥がされそうになるのを堪えながらクロスをほどき、右手を縦の甘カチで中継して、リップへ飛ばす。小さい人なら中間のヒールをバチ効きさせたまま動けるので楽かもしれない。このムーブで「Wプロジェクト」と同じくらいの難しさだと思う。もしムーブ限定の課題名を付けるとしたら、「オショロコマ」といったところか。
貝殻岩へ移動すると、髪が短くなったコミさん、“チャンプ”と呼ぶと怒り出すらしいケーコさん、会うたびに印象(全身のコーディネート)がちがうタケピさんが居た。
コメント
何も書いていないKさんに優しさを感じました。
もちろん登れませんでした。すみません。でもムーブを考えすぎた自分が悪いんです。アイアンメーデンがきっと私を変えてくれると信じてトライし続けます。(涙)
帰りに挨拶できなかったのが心残りです。いろいろ教えてもらったのに・・・ありがとうございました。
登れたらコメントしちゃいますよ。頭の片隅で楽しみにしていてください。
ケーコさん、お疲れさまでした。単に調子が悪い時期というのもありますからね。他の課題もやりつつ、時々さわってみるといいのではないでしょうか。
あっ、そうそう。「バンダナさん」ではアレなので、次の機会に名乗りますね(笑)。