「単独行者」

ヤマケイ連載時には読んでなかった。このたび一気読みした。物語はまるで映画の続編のように「孤高の人」の完結直後から始まり、やがて過去に遡る。厳冬期の山で行き暮れる描写なんか、実際に山で極限状況を体験した者でなければ書けない迫真に満ちていた。自分は北鎌尾根を知っているし、厳冬の槍沢で肩まで没する単独ラッセルに悪戦苦闘したこともある。身につまされた。胸が痛くなった。で、また、こういうの読むと、登りたくなるんだな、これが(苦笑)。ここ数年は低い場所で岩を攀じてばかり。たまにドーンと突き抜けた高みに登りたくなる。

コメント

  1. H山 より:

    遅ればせながら、自分は何ヶ月か前に初めて孤高の人を読んだばかりでした。こちらの本も、なるほど…食指が動きました。

  2. 無名のK より:

    H山さん、こんにちは。作者は七千メートル峰に登頂したこともある猛者だそうです。登攀場面はまるで自分がそこに居るかのように引きこまれました。