洞窟に謎の住居跡、城ヶ崎ボルダー、こさいつな

こさいつな には、洞窟に残された謎の住居跡が存在します。

「吉田クライミング日記」(2009/12/15)にこう書かれています。

崩壊したパイクの近くの磯には、他に住居跡のホラアナがある。成立年代はバブル景気のころか?アルジは読書家だったと見えて今なお、ホラアナの中には数千冊の本が野積みにされている。

いまは消えた「吉田和正過去の日記」(2007/2/9)でも言及されています。

こさいつなの磯に降りる。ここには謎の住居跡がある。人目につかない入り江の隅の洞窟には何年前かはわからないがかなり長い間ひとが住んでいた痕跡がある。このあたりは城ヶ崎でもかなりアプローチが不便なところなので気付いているひともあまりいないのかもしれない。十畳ほどの洞窟は耐震強度にやや不安はありそう。かつ夏は蚊がうるさそうだがなかなか快適そう。鍋やフライパンはじめいろいろな家財がそろっている。住人は読書家だったらしくおびただしい本も山積みにされている。宗教関係の本からイヤラシめのもの、俳諧歳時記なんてものまである。住人は今どうしておられるのであろうか?まさか奥のほうにいらっしゃるってことはないですよねえ。洞窟照りて 海の静寂のあつまりぬ(盗作)

過去の日記の頃、吉田さんの文章には諧謔味があふれていました。

私は場所の記載をよくおぼえていませんでした。が、2012年にここでボルダリングしているとき、ふと上部のハング帯に引き寄せられて足を運んだところ、ビンゴでした。

かさご根」の展望台からも見えます。

クローズアップするとこう。

スラブ岩の背後を支えていた地盤が崩落したため、わずかに残された急斜面の細い草付きからしかアプローチできません(赤矢印部分)。ここが崩落したら、もう誰も訪れなくなるでしょう。(もしかすると、上部を通っている遊歩道からアプローチする道があるかもしれません)

以前訪れたときは、何か見てはならないモノが映り込みはしないかと怖れて、写真を撮りませんでした。

生活の道具が打ち捨てられています。

吉田さんも書かれている「数千冊の本」が雨ざらしになっています。わりと鮮明な活字を読み取ることができるのは驚きでした。

アプローチの草付きは本当に危なっかしいです。よほどの廃墟マニアでなければ、見学を推奨するものではありません。

さて、こさいつな崩壊前後の写真をあらためて見比べると……。

2012年

2024年

消失したスラブ岩の裏側には隙間があり、大前傾壁として登れる可能性がありました。

「今度訪れたら確認しよう」

その機会は永久に失われました。

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