城ヶ崎、こさいつな、「スキュラ」と「カリュブディス」

左のカンテラインが「スキュラ」、右のカンテラインが「カリュブディス」

城ヶ崎、こさいつなエリアの下部にこんな岩があります。

ひと昔前にこのエリアで登ったとき、この岩を見て「脆そうだし、ろくにホールドがないし、使えない岩だな」と思いました。裏手(写真に映っている左側の隙間)のカンテラインに「ヒラリーカンテ」という課題を設定しただけで、登攀対象として見なくなりました。

今季、このエリアを再訪したとき、「昔の自分はなんて岩を見る目がなかったんだろう」と思いました。中段のアンダーホールドからリップに手を出し、左右のカンテラインからマントルを返すと面白そうです。

小川山の「静かの海」と「豊かの海」のように対になる課題名を付けたいところです。ギリシャ神話に登場する海の怪物「スキュラ」と「カリュブディス」を思いつきました。オデュッセウスの船はどちらの怪物の側を進むかで悩み……。(詳しくはこちらのサイトが参考になります)

問題は下地の悪さです。マット1枚主義?の私にはなかなかに取りつきにくいです。このラインを登ろうなんて思いつく人は滅多にいないだろうから、他にやることがなくなったらやろうかなと胸の内にストックしました。

そんなある日、こさいつなでshibarockさんとお会いしました。なんでも「10 LITTLE INDIANS 」(岩が大きく動いて、方角や傾きが変わったので特定が難しい)を再登されたそうです。「スキュラ」と「カリュブディス」を紹介したところ、果敢にトライし、「スキュラ」を初登されました。課題名は、私の意図を汲んで「スキュラ」を採用してくださいました。(感謝)

shibarockさんは翌日、YouTubeに動画を公開されました。(城ヶ崎ボルダー_スキュラ_1Q(FA)

私は刺激を受けて、その翌日にまた城ヶ崎におもむきました。

すると、この岩を登るボルダラーたちの姿がありました。「スキュラ」のカンテ直上ラインや、「カリュブディス」を完登されていました。

動画が出た翌日ですよ? 私は唖然として遠くから見守るだけでした。いやはや……。ネットで誰かのプロジェクトを見かけたら、すぐに登りに行きたくなるほど、皆さん課題に飢えていらっしゃるんでしょうか。他にもっと取り組むにふさわしい課題があるでしょうに。(苦笑)


数日前、城ヶ崎ボルダーのサイトに別の名前で発表されました。あの日、初登された方々によるものかどうかはわかりません。

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