小川山、あらため河又、あらため天王岩、あらためジム

前日に予報を見たら湿度が高そう。軽く80パーセント越え。うーん、無理して行かなくてもいいかな。

20世紀のある年、5月から6月にかけて、シルクロード(12b/c)とロッキーロード(12a)を完登し、さて繋げてみようかと、7月初旬の梅雨のまっただ中、取り付いてみたら、シルクロードの核心がヌメヌメで敗退した。その再現になるかもしれない。私がトライ中の課題も影響を受けずにはいられないであろう。

松ちゃんはやる気満々のようなので行くことにしたけれど、下道の事故渋滞で出遅れた。

「明日は確実に雨だから、今日は高速も岩場も渋滞しているかもしれない。下手すると12時頃にやっと登り始めて、想定外の霧雨なんか降ったりして……」

悪材料を並べ立てて、河又へ転進。着いてみると、岩が黒く染まっている。雨というよりは結露であろう。頼みの綱、シュテファン・フェースも駄目だ。

この展開でありがちなのが、北川の岩場への転進であるが、河又が結露しているときは北川の岩場も結露していると相場が決まっている。聖人岩も同様。過去に3回くらい経験している。そろそろ学習しなくては。

松ちゃんはまだ諦めていない。「混んだジムで調整クライミングするくらいなら、涅槃岩(天王岩)に行きませんか」

 

このパターンもなぁ。カイーノのハング帯は水が滴り、八月革命のキーホールドが濡れていなければ登れるかも、といった風情であろう。壁の上部は乾きやすいけれど、そこに並んでいるのは妙に辛い11b/cシリーズである。

国際マス釣り場の道路脇に着いても私は車から出なかった。松ちゃんはいそいそと杉林を分け入り偵察に行く。戻ってくると、浮かぬ顔をしている。

「先客が20人くらい居ます。勉太郎音頭やクラックジョイは登れますが、トップロープが懸かっています」

かくしてジムへ。

冴えない一日の、唯一つ華のある写真。松ちゃんの遅延を待つあいだ買って読んだTARZANの表紙。

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