城ヶ崎ボルダー、はじめての おたつ磯

電脳仕事に明け暮れ中。手首は痛い、腰は痛い。眼精疲労はピークなり。

「unplugged」

という言葉が最近お気に入り。フランケンユーラにある高難度ルートのことではなく。アコースティック楽器のことでもなく。この言葉を聞いたとき、最初に浮かんだイメージは映画の「MATRIX」。たまには頭の後ろからプラグを抜いて、現実世界で身体感覚を取り戻さなくては。

4~5年前だったかな。伊豆高原駅からシーサイドエリアに向かう途中、吊橋を過ぎたあたりで、杉野保さん率いるスクールの一団が左の磯に下りていくのを見かけた。

「ふーん。スクール用の秘密の岩場でもあるのかな」

なんて思うほどエリアの事情に疎かった。“シーサイドにあらずんば城ヶ崎にあらず”とまでは行かないものの、マイナーエリアにはとんと興味がなかったのである。それが今となっては。

「悟空ハング」は年によっては地面からリップに手が届きそうになることもあるという。昨今は磯が下がったままのようだ。この腰ではあまり落ちたくない高さである。今日は不調なので何度落ちるかわからない。パス。

左のほうにある「モファット・トラバース」で遊ぶ。この課題、「日本100岩場」のトポではゴールがよくわからない。先ごろ、吉田和正さんと出会ったとき、千載一遇の機会を得たとばかりに質問攻めにさせていただいた。「短いですよ。右下にこう降りるところが難しいんです」とジェスチャーを交えて教えてくれる。なにぶんこちらは写真でしか見たことがないので、なかなか話が通じなくて申し訳なかった。

今日、実物を見て、触った感じでは、カエルクラック脇のガバカチからSD気味のスタート。扇状ハングのリップ下を右にトラバースして、次のクラックの凹角に降りてゴールではないかと思う。「日本100岩場」で?となっているあたりだ。スタートではなくてゴールを記載してあるのだろうか。「スネイク」(あるいはスネーク)はモファット・トラバースの延長バージョンだから、?と?が逆(誤植)だとすると少しは腑に落ちる。

なんて考証はさておき、今日の体調では完登はままならず。3度ほど、ゴールしかけたけれど、本当に最後の最後が悪い。久しぶりに城ヶ崎のフェースルートに打ち込んだあとのようなパンプを覚えた。リップ下のトラバースは、磨かれたフットホールドから足が切れないように身体張力でこらえる。疲れて肘が上がると足に体重が乗らず、足に体重が乗らないと肘が上がる。こんなムーブ、シーサイドにもあったような。なにせ下地が悪い。スリップして背中から落ちたら、ただでは済まない。到達距離が縮み始めたので、午後1時には岩場を後にした。

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