デイドリーム

吉田和正さんと初めてお会いしたのは、城ヶ崎の「モンスターマン」の前だった。その後も、講習会のかたわらで登ったり、プライベートクライミングをご一緒させてもらったりした。ポツリポツリとかわす身の上話(年はことなるが誕生日が一日ちがい)や、クライミングへの取り組み方などを通じて、そこはかとなくシンパシーを感じてくれたらしい。「デイドリーム」の応援に行ったときのこと。ビレイヤーの身支度が遅れると、ここぞチャンス(?)とばかりに「Kさんにビレイしてもらうよ」と、私にお声がかかった。吉田さんの素早い登りを妨げないように緊張しながらビレイした。

城ヶ崎では、吉田さん初登のルーフクラックの下で、講習会の未登ボルダーを初登させてもらった。「ペントハウス」からの連想で「メトロポリス」と名付けたら、喜んでくれた。そして、「デイドリーム」(白昼夢)の近くでは、「ナルコレプシー」(嗜眠症)を初登させてもらった。

吉田さんの足跡を追っていると、手垢にまみれていない(貴重な休日を順番待ちに費やさずにすむ)新鮮な課題には事欠かなかった。登り残した課題が沢山ある。

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